Gibson Assembly®
Gibson Assembly®は、制限酵素を使わずに目的断片をプラスミドにクローニングする方法です。Gibson Assemblyでは、DNA(フラグメント、ベクター)をPCRで増幅し、その末端にオーバーラップする領域を作ります。少々複雑ですが、SnapGeneを使えば、この方法を可視化することができます。また、Gibson Assembly®で必要なプライマーも自動で設計できます。結合するDNAフラグメントを選択するだけで、SnapGeneが適切なプライマーを自動設計します。
このチュートリアルでは、Gibson Assembly®(制限酵素を使わずにプラスミドを構築する方法の1つ)をシミュレーションする方法をご紹介します。
1.【準備】DNA配列を入手する
本チュートリアルでは、lentiCas9-EGFP と pTurboRFP-PRL を使用します。それぞれのファイルをダウンロードしておきましょう。
Zhang lab lentiviral vector for expressing human codon-optimized S. pyogenes Cas9 plus enhanced GFP (EGFP).
www.snapgene.com
Promoterless TurboRFP reporter vector.
www.snapgene.com
2. Gibson Assembly®をシミュレーション
本チュートリアルでは、lentiCas9-EGFP の EGFP を pTurboRFP-PRL の RFP と入れ替えることを想定して、Gibson Assemblyのシミュレーションを行います。
lentiCas9-EGFP のプラスミドマップを開き、ツールバーの「アクション(A)」から「Gibson Assembly®」「断片を挿入(F)」へと進みます。
「ベクター」タブ1 で置換したい部分を選択します。ここでは、EGFP(7128 - 7844 bp) 2 の領域を選択します。
「断片」タブ1 を選択し、右側の「断片のソース」のドロップダウンリスト2 から pTurboRFP-PRL を選択します*。
次に、pTurboRFP-PRLのプラスミドマップ上で入れ替えたい領域(今回はRFP)3 を選択します。もし入れ替えたい領域の向きも変えたいときは、「断片の配向」を変更しましょう。
「産物」タブ1 に切り替えて、「オーバーラップしているPCRプライマーを選択」2 をクリックします。
設定画面が出てきたら、使用するPCR酵素に合わせてTm値を設定しましょう。また使用するGibson Assemblyのキットに合わせて、末端部のオーバーラップしている塩基数を設定します。設定が終わったら、「プライマーを選択します」をクリックしましょう。
lentiCas9-EGFP の EGFP が RFP に入れ替わっているのを確認します。問題が無ければ、右下の「産物作成」で名前を付け、(今回は “lentiCas9-TurboRFP” )「アセンブル」をクリックします。
新規ファイル(lentiCas9-TurboRFP.dna)が立ち上がるので、プライマータブで必要なプライマーの詳細を確認しましょう。
履歴タブでは、Gibson Assembly の記録が確認できます。